<コラム26> 2017.5
相原 誠
私は、集団、グループが苦手です。というより、苦手でしたが、現在はリハビリ中です。と言った方が、正確かもしれません。グループが苦手といっても全く適応できないわけではなく、どんな集団でもその一員になろうと頑張って疲れてしまうところがありました。そのグループの一人ひとりが自分や他の人に対してどう思っているのか、グループの雰囲気は悪くないなのか、そして、そこに自分はちゃんと入れているのだろうか等と色々と考えて、雰囲気よく自分も所属感を感じられている時はまだよいのですが、そうではない時は、心がざわついて、どうしようもなくなってしまっておりました。どちらにせよ、最後に疲れてしまうことは変わりのないことですが。
このようなことは、誰にでもありそうなことではありますが、私は人より少し強い気がします。今、私が何となく思いつくグループ嫌いの理由は、大まかに以上のようなことですが、以前はこのあたりの理由もぼんやりしていて、ただ漠然と嫌だなと思っておりましたし、新たな出会いなど特に求めてもいませんでした。
しかし、私をエンカウンターグループの世界に誘い込んでくれた学部生時代のとあるグループ体験や、その後の様々な人々との素敵な出会いによって、グループに対する不安感や抵抗感が少しずつ緩んでいったように思います。また、ここ最近、自らの研究を通してグループに関わる様々なファシリテーターの方々からお話を伺ったり、グループ仲間と語り合いながら、自分のグループ実践におけるテーマ、ファシリテーション、そして自分とグループとの関係など少しずつではあるものの、言語化し始めているところです。
そして、現在の私の興味、関心は自分でグループを企画してみたいという方向にも向かっています。これまでは、既存のグループに関わることが多かったのですが、沖縄グループでの実体験や今年1月の名古屋(犬山)のミーティングで出会った方々とのお話、高松さんの発表などにインスパイアされて、むくむくとこのような気持ちが湧いてきました。以前の私からは考えもつかないことで、自分でも少し驚いていますが、何か不思議と前向きな気持ちで進んでいます。
このように今、改めて振り返ると、グループや様々な人々との出会いが今の自分の一部となり、支えているように思いますし、その出会った人からさらに広がっていくであろう出会いを楽しみにしている自分もいます。そして、将来、その出会いの中で自分がどんなことを思い、考えているのか、これもまた楽しみなことです。